日本では多くの方がビタミンD不足だそうですが、ビタミンDと聞くと、「骨の健康に必要な栄養素」というイメージかもしれません。しかし、最近の研究では、「ビタミンDが、まさに“Wow”!」と言えるほどなんです。
ビタミンDって?
ビタミンDは、体にとって必要不可欠な脂溶性ビタミンです。主に日光に当たることで体内で合成されたり、食事やサプリメントからも摂取できます。「太陽のビタミン」とも呼ばれています。
骨の健康を支えるビタミンD
ビタミンDの最もよく知られている効果は、骨の健康を保つことです。ビタミンDが不足すると、カルシウムの吸収が低下し、骨が弱くなりやすいです。特に、子供の「くる病」や成人の「骨軟化症」などの病気のリスクが高まります。日々の食事でビタミンDを十分に摂取することは、強い骨を保つために欠かせません。
また、特に成長期の子供たちには、骨が十分に成長するためにビタミンDが必要です。ビタミンDはカルシウムの吸収を助けるため、骨の成長や骨密度の維持に役立ちます。
免疫力を高めて、感染症を予防
コロナで脚光を浴びたビタミンD!
ビタミンDは、体内で免疫細胞の活性をサポートし、感染症に対する抵抗力を高めてくれます。特に、風邪やインフルエンザ、さらにはコロナなどの重症化リスクを減少させる可能性があります。コロナに感染するとサイトカインストーム(過剰な免疫反応)が発生し、肺などの臓器に大きなダメージを与えることがありますが、ビタミンDは、このサイトカインストームを抑える作用があるため、過剰な炎症反応を抑える助けになってくれます。
ビタミンDとがん予防
ビタミンDはがんのリスクにも影響を与えると言われています。ビタミンDは細胞の成長を調節し、異常な細胞の増殖を抑える働きがあるからです。がんリスクの低減に寄与する可能性があるので、がん予防的にもビタミンD欠乏は避けたい栄養ですね。
腸内細菌の多様化に役立つ
腸内の良い細菌たちは、菌によってそれぞれ役割があります。
免疫力UPしてくれる菌、ビタミンを作ってくれる菌、肥満を予防してくれる菌、短鎖脂肪酸を作ってくれる菌。
これらの菌が、協力しあって健康な腸内フローラを生み出してくれています。なので、やはり良い菌の種類が多ければ、それだけ腸内環境も良くなる。よく「腸内環境は多様性が大切」と言われる所以でもあります。
そして、腸内で英雄的存在の「酪酸菌」をビタミンDが増やしてくれるそうです。
酪酸菌は、
・大腸の細胞にエネルギーを供給
・腸のバリア機能を強化することで免疫力を高める
・炎症を抑えたりする効果がある
とされ、短鎖脂肪酸の一種です。
心のサポートもしてくれる
ビタミンDは、脳の健康にも良い影響を与えます。もし、ビタミンDが不足していると、気分が落ち込みやすくなることがあり、うつ病のリスクも高まると考えられています。太陽が照り注ぐ夏の暑い季節と違って、真冬の寒い季節になんとなく「気分が滅入るな〜」って経験ありませんか?
ビタミンDを効率よく摂る方法
ビタミンDは、日光浴をすることで自然に体内で合成されますが、日照時間の少ない冬の季節や、完璧な日焼け防止対策の人、寒い・暑いの理由で外で遊べない!そもそも遊ぶ場所がない!子供達、ほとんど室内でお仕事をされている方など、現代人はビタミンD欠乏が深刻です。
まず、意識的に日光浴、そして食品からも摂取できます。
ビタミンDが豊富な食品には、
- サケ、秋刀魚、イワシ、サバ、ウナギなど
- キノコ(特に干し椎茸)
- 卵黄
- 豚や牛レバー
ただ、
厚生労働省が推奨する成人の1日のビタミンD推奨量(600〜800 IU)を満たすには
毎日、卵5〜6個分、サーモン約85gなど、
正直、食品だけでビタミンDを十分に摂取するのは、実際かなり難しいです。なぜなら、雑穀・果物・野菜・豆類などにビタミンDは含まれておらず、ビタミンDを含む食品が限られていること、それを毎日大量に食べる必要がある理由からです。
そのため、
① バランスの取れた食事
② 可能な限り屋外で短時間の日光浴をする(日焼け止めを塗らずに15-30分程度、腕や脚を露出する)
③ 必要に応じてサプリメントの利用
これらを組み合わせることがいいんじゃないかと思います。
それと、マグネシウムはビタミンDの代謝と活性化に必要不可欠。
私は、ビタミンDサプリメントとマグネシウムは、できるだけセットで毎日摂取するよう心がけてます。
因みに、室内での日光浴ではビタミンDの合成がほとんどできませんのでご注意くださいませ。
ビタミンDは、骨の健康を守るだけでなく、免疫力を高め、心の健康をサポートし、がん予防にも役立つ多機能なビタミンです。日常生活にビタミンDを取り入れることで、より健康でアクティブなライフスタイルを楽しむことができます。食事や日光浴、サプリメントを上手に活用して、ビタミンDを効率よく摂取できるといいですね。