分子栄養学を学ぶまで胆汁酸のこと、気に留めたこともありませんでした。だけど、とっても大切な役割があるんですね。
胆汁酸の凄さをシェアさせてください。
胆汁は、どうやってできるの?
どのように胆汁ができあがるのでしょうか?
- まず、肝臓でコレステロールが合成されます。
(これは食事由来のものと肝臓自体で合成されたものの両方を含みます。) - このコレステロールの一部が胆汁酸に変換されます。
- 出来上がった胆汁が胆嚢に送られて濃縮・貯蔵されます。
コレステロールは胆汁酸の前駆体として重要な役割を果たしています。
なので、肝臓の機能が低下して合成能力が落ちていたり、食べる量が少なかったり、ダイエットで極端な脂質をコントロールしていると、栄養不足状態になり、胆汁の生成が影響を受け、胆汁が出にくくなる場合もあります。
特に、女性のクライアント様が「たんぱく質」を不足している様に感じます。
胆汁酸の働き
胆汁酸は、いくつもの仕事をこなしてくれているので見ていきましょう!
✳︎脂肪の消化吸収を助ける
胆汁酸には食事中の脂肪を細かく分解し、消化酵素が働きやすくします。なので、脂っこい食事でも消化と吸収を高めてくれます。また、大切な栄養素の脂溶性ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKの吸収も良好になります。
✳︎腸内環境の改善
胆汁酸は抗菌作用があり、腸内の有害菌の増殖を抑えます。また、腸内バリア機能をサポートするなど、腸内フローラのバランスを保つ役割を果たします。
✳︎コレステロールの排出
胆汁酸はコレステロールの代謝を促進し、体の外へ排出を助けます。これによって、血中コレステロールが安定します。
✳︎肝臓保護作用
胆汁酸が肝細胞の保護作用を持ち、肝臓の健康維持に役立つことがわかっています。
リサイクルされる胆汁酸
胆汁酸は消化に使われた後、胆汁酸の約5%は、体外に排出され、残りの95%は肝臓に戻って再利用されます。これを腸肝循環と言います。何度もリサイクルされた胆汁酸は、機能も落ちています。なので、フレッシュな胆汁酸を生成するためには、古い胆汁酸の効率的な排出が必要です。
腸管循環をスムーズにする
もし、胆汁が少ないと
脂っこいものを食べると胃もたれしたり消化不良を起こしやすくなる、コレステロールがうまく体外に排出できなくて血中コレステロールが増える、脂溶性ビタミンが吸収不足でお肌の乾燥やドライアイ・骨の健康や免疫に影響がでたり、腸内フローラのバランスを崩したり便秘を引き起こす場合もあります。
日頃から、少し腸管循環も頭の片隅においていただいて
- 水溶性の食物繊維を食べる
食物繊維は腸内で胆汁酸と結合し、便として排出されます - 杜仲茶を飲む
杜仲茶に含む「アスペルロシド」が、古い胆汁酸の再吸収を妨げる - ホタテ、イカ、タコを食べる
ホタテ、イカ、タコに豊富に含む「タウリン」が胆汁酸作りを促進、肝臓細胞を保護 - 運動をする
軽いウォーキングなどすることで、腸の蠕動運動が促進されて、胆汁酸の生成と分泌を促進し、消化や代謝、肝臓の健康をサポート
出ました!
ここでも、また登場の食物繊維です。食物繊維は本当に優秀選手ですね!
あまり意識されていない、縁の下の力持ち的な存在の胆汁酸ですが、他にも脂肪肝の抑制、便秘の改善や、ダイエット、インスリン抵抗性の改善などあるようです。胆汁酸には、やっぱり肝臓の健康がマストですね。