
健康診断でコレステロールが気になる方も多いと思います。実は、コレステロールは私たちの体にとって必要不可欠な物質です!
高すぎても、低すぎてもよくなくて、やはりバランスが大切です。今回は、女性に多い「低コレステロール」について見ていきます。
コレステロールとは?
コレステロールは脂質の一種で、血液中では「リポ(脂質)+タンパク」として運ばれています。リポタンパクは「脂質とタンパク質がくっついた複合体」で、これによってコレステロールは体の中を移動します。
コレステロールの由来
コレステロールは
✳︎体内合成→主に肝臓で作られます
✳︎食事からの摂取→3大栄養素から(炭水化物、たんぱく質、脂質)

3大栄養素である「炭水化物、脂質、タンパク質」は、体内で代謝され、アセチルCoAという物質に変換されます。このアセチルCoAが→肝臓でコレステロールの合成に使われます。なので3大栄養素は間接的にコレステロールの材料として関わってきます。
なぜ、コレステロールが低くなるのか

- 食事からの脂質摂取が不足している場合や、全体的な栄養不足により、コレステロールが十分に合成できない
- 肝臓の機能が低下
- 常に交感神経が優位になっている(長期的なストレス)
- 遺伝的な要因
コレステロールが低くなるとどうなるの?

分子栄養学では、コレステロールは適度な量が必要だと考えます。
低くなると、以下のような点に注意します。
- 性ホルモン不足→精力減退、元気がなくなる
- Coq10が不足→ミトコンドリアが活性しないので疲れる、代謝が悪くなる、老けた印象
- コルチゾール不足→ストレス対応できない、低血糖、低血圧
- 細胞膜が弱くなる→栄養の取り込みや老廃物の排出が難しくなる(皮膚トラブル、アレルギー、溶血など)
- ビタミンD不足→骨の健康や免疫機能に影響、筋力低下、うつっぽくなる
- 胆汁酸不足→胆汁酸は脂質の消化・吸収・解毒排泄に必要(脂溶性ビタミンの吸収不足から乾燥肌やドライアイ、解毒力の低下、脂っこい食事が苦手になる場合がある)
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コレステロールは、私たちの健康に欠かせない重要な栄養素です。単に「低ければ良い」というわけではなく、適切なバランスを保つことが大切です。
ただ、コレステロール低下ですぐに性ホルモンやコルチゾール不足になるとは限りません。コレステロールの代謝バランスが崩れることが問題の場合もあり、その背景にはストレスや栄養状態などの要因が関係しています。個人差も大きいとこですが、栄養学の観点からも、コレステロールの重要性は明らかだと思います。