最近、副腎疲労という言葉を耳にする機会が増えてきていますよね。
この副腎疲労、誤解されやすい点がいくつかあります。
よく
「副腎が疲れているから、副腎疲労だ」
と思われがちですが、
実は、副腎そのものが疲れているわけではないんです。
HPA軸って何?
まず、副腎は
左右の腎臓の上にチョンと乗っかっている臓器で、
3〜4cm程度の大きさをしています。
わたしたちの体にとって重要なホルモン、
特にストレスに対処するための「コルチゾール」
というホルモンを作ります。
しかし、
副腎がコルチゾールを分泌するよう
指令を出しているのは
「HPA軸」と呼ばれる仕組みです。
- HPA軸とは、
視床下部(H)、下垂体(P)、副腎(A)
という3つの部分が協力して働くシステムのこと。 - ストレスがかかると、
脳内の視床下部が「ストレスホルモンを出して!」という信号を下垂体に送り、
下垂体が副腎に「コルチゾールを分泌して!」と命令を送ります。
そして、コルチゾールが分泌する。という流れです。
副腎疲労の本当の原因は?
ストレスがあったとしても
自律神経の切り替えがスムーズで
食事や生活習慣が安定している場合は
特に問題はありません。
ただ、
長期間、緊張状態が続いた場合
無理やりコルチゾールを出し続けた状態になります。
そうすると、
体の筋肉が分解されたり
免疫力が下がったり
ひどい状態だと、
脳の海馬が萎縮することもあります。
そうなると、体にとっては大変危険、
手遅れになる前に
コルチゾールを出しすぎないよう
制御システムが働く訳です。
つまり、
「強制エコモードに切り替え」です。
なので
副腎疲労とは
副腎が疲れているのではなく、
HPA軸の指令に問題が生じることで、
低コルチゾールの状態になることです。
例えば、
めちゃ怖い上司
苦手な同僚
NOと言えない環境
仕事と育児で休む時間がない
お金の不安 など
他にも
精神的なストレスだけじゃなく
怪我や手術
低血糖の時
睡眠不足
感染症
体内の慢性炎症 などなど
精神的な悩み以外のこういった事も
脳にとっては「ストレス」だと反応し
HPA軸を刺激します。
副腎疲労の症状
副腎疲労の症状としては、次のようなものがあります。
- 朝なかなか起き上がれない
- 寝ても体力が回復しない
- 集中力、記憶力の低下
- 感染症にかかりやすい、回復にも時間がかかる
- 疲れてるのに眠れない、夜中に目が覚める
- 朝、食欲が出ない
- ランチ後、非常に眠い
- 甘いものがやめれない
- コーヒーがないとダメ
- 塩辛いものが無性に食べたい
- イライラ、怒りが抑えられない
どうすれば良いのか?
副腎をケアするためには、
ただ単に「休む」だけでなく、
HPA軸を正常に保つための生活習慣が大切です。
・概日リズムの安定
・適切な栄養素
・適度な運動
・炎症を取り除くこと
・ミトコンドリア機能UP
・自律神経の安定
などのテコ入れです。
そして
ストレス管理 が重要。
人間関係のストレス、
例えば、過剰な責任感や不安に対処することも
HPA軸の機能を守る鍵となります。
副腎疲労の治療は
少し時間がかかりますが、
そのプロセスは
これまでの生活を見つめ直し、
よりバランスの取れた自分を再発見する貴重な機会でもあります。
焦らず、ゆっくりと進むことで、
心身ともに新たなエネルギーと向き合うことができます。
今現在の自分を知ることこそが 健康の近道だと思います。